再び始まった恋。

あたしの、あたしだけの物語には…

あたしと麻生 健永の物だけだったのに…



麻生 健永の物語には美智しか居ないんだ。


あたしは居ないんだ。



好きな人が居るって知ってて好きになったあたしがバカだけど…


相手が美智なら、あたしの出る幕は無い。


美智ならあたしの出番は無い。


美智を想っていたなんて…知っていたら、


あたしはこの恋愛はしなかった。


気持ちに鍵を掛けたままだったのに…



叶いっこない。

美智になんて叶う訳無い。



あたしも男だったら…

ううん、女でも…


美智が好きだもん。


包んであげたくなる様に真っ白な肌で…

クリンとした大きい瞳に吸い込まれそうになって…

つい、苛めたくなる様な小さい背丈。

そして、守ってあげたくなる様な輝く笑顔。



敗北…。


あたし何一つ勝てる気しない。


美智に勝とう…とも思わない。



美智…


あたしの気持ち聞いた時…

どう思った?


今も昔も…



あたしが居たから美智は麻生 健永を選ばなかったの?




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