再び始まった恋。
でも、美智は来月結婚してしまうし…
麻生 健永も叶わぬ恋だったのかな?
だから…
あたしと会ってたりしたのかな?
美智の近くに居たあたしに優しくしてくれたのかな?
「夕佳里っ!」
店を出てすぐにあたしを呼ぶ声が聞こえて思わず振り向くと…
「たけひ、と…」
息を切らした武人があたしをジッと捕えてどんどん近付いてきた。
「夕佳里…」
あたしの頭をポンポンっと2回叩くと切なげな武人の表情が見えた。
気付いていたんだ。
武人はあたしの気持ちすべて…気付いていたんだ。
「…ウッ…どうし…て…」
武人の優しさに暖かさに我慢していた涙が次々溢れ出す。
「俺はいつも夕佳里を見てるから…」
武人はあたしの肩に手を置いて少ししゃがみ、あたしと目線を同じにする。
「アイツがそんなに好きか?」
あたしの涙を拭いながらそんな事を言う武人。
こうゆう時は優しいんだから…
すぐ、あたしの気持ちに気付いてくれるんだから…