再び始まった恋。

だからね、武人とのお別れに言われた言葉が苦しくて…辛かったの。



「俺さ、やっぱお前がいい。夕佳里が今でも好き…」



あたしの目を見てハッキリと聞こえた武人の言葉。



あたしを好き…?

あたしがいい、の…?



「武人…?」



それ…慰めてる訳では無いんだよね?


そんなふざけた考えは武人の真剣な瞳で消されていく。



「夕佳里と別れて…後悔した。今でも後悔してるんだ…」



後悔…?

武人が…?



「俺の所に戻ってきてよ…夕佳里。」



どうして…?

そんな事、言うの?



武人の真剣な言葉達があたしの心を刺激する。



そんなあたしの心ごと武人はあたしを力強く抱き締めた。


久し振りに感じた人の体温と…
懐かしい武人の香り。



昔に戻ったみたいにそのすべてを受け入れてしまっていた。



「俺の事も…考えておいて」



抱き締められたまま、武人があたしにそう告げた。



「…う、ん」



そんな武人に対し、あたしはこんな簡単な返事しか出来なかったんだ。




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