再び始まった恋。

そして、彼との約束の日。


あたしは、いつもの休日より早めに起き、
出掛ける準備をし始めた。



少しでも…心の準備をする時間が欲しかったから。



「…おいし」



彼から貰ったまま、大事に取っておいたポッキーを食べる。



今日だけ、今日1日だけは彼の事だけ…

考えていたい。

感じていたい。



彼への想いを断ち切る様にポッキーを次々と口に含む。



もう、美味しいんだかわからない感覚で…


すべて食べ尽くしてしまった。



「ご馳走様…」



あたしの家に置いてある彼との想い出の物はこれだけ…


食べれる物で良かった。
無くなってしまう物で良かった。


と思いつつも、ポッキーの残骸を見て寂しく思うってしまう。



そんな中、携帯電話が鳴り彼からの着信を知らせ…


着いた。と言う彼に慌てて、自宅から飛び出ると…



初めて目にする私服姿の彼があたしの目に飛び込んで来た。



いつもピシッと決めたスーツ姿の彼…


そんな彼とは違う私服姿。




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