再び始まった恋。

細身のジーンズに、ジャケット…


けしてラフとは言えない格好だったが…

いつもより、身近に感じた。



彼に近付く度、ドキドキと高鳴る胸。


そんな中、以外な物に気付く。



えっ…

バイク…?



「おはよ」


「おはよ…」



日差しに照らされている彼が柔らかく微笑む。


そんな彼に決めてきた気持ちが一気に鈍る。



「…バイクなの?」



「ちょっと遠出したかったから…はい。これ」



そう言われ、あたしに差し出した物…



ゴーグル付きのハーフヘルメット。



咄嗟に受け取ってしまう。


そんなあたしを確認したかの様に…
彼もあたしに渡したのと同じようなヘルメットを被った。



後ろに乗る…って事だよね?

彼に後ろから掴まらなきゃいけないんだよね?



ヘルメットを持ったまま立ち尽くしているあたしに…


「貸して」



あたしに先程渡したヘルメットを自分の手に収め、
反対の手であたしの腕を掴み彼の方へと引き寄せた。



え…

な、何?




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