再び始まった恋。
バイクに跨がっている彼の目線は…女なら高い身長のあたしの下にあって、
そんな彼の視線があたしの視線を捕らえた。
近い…
近過ぎるっ!
「フッ…」
彼はそう鼻で笑うと、あたしの頭の上にさっきのヘルメットを被せた。
紐の部分をカチッと止める瞬間…あたしの首に彼の冷たい手が触れた。
もう、今日は駄目かも…
ドキドキが止まらない。
「はい、出来た」
そう言った彼は微笑んで、あたしの頭をヘルメット越しに軽く叩いた。
どうして…こんな事出来るの?
美智じゃないの?
誰にでもこんな事するの?
「後ろ、乗って…」
「あ…うん」