再び始まった恋。
確認したいけど鈴木君が邪魔で見れない。
「けんと!開いてたぞ!!」
駆け寄る様な足音だけ聞こえて…
そんな足音でさえ、不安になるあたし。
「電話、終わったか?」
「…おぅ」
声だけじゃ、わかんないよ。
でも、声を聞いて確認したい気持ちと、
確認したく無い気持ちが混じり合っていた。
あたし同様、加奈子も
けんとと呼ばれた人を気になる様で…
鈴木君のまだ見えない後ろの方を見ている。
そして…
鈴木君の頭の上から呼ばれた人物が顔を出した。
………ッ………。
やっぱり。
アイツだったんだ。
「こいつは麻生 健永。俺の大学からの友達なんだ!」
鈴木君が一歩前に出て彼の全体を映し出した。
どうしてここに居るのよ?
あたし、会いたくなかった。
「初めまして~武田加奈子でぇ~す♪」
「……………。」
加奈子の明るい声にも反応をみせない彼。