再び始まった恋。
「今日は海の近く巡りって事で……まずは飯だな」
海の近く巡り…?
なんか…旅行みたいな言い方してるし…
そう言った彼はあたしの手を自然に握り歩き出した。
また…あたしの手…
彼の冷たい手に包まれてる…
こうゆう事するのが彼の中では当たり前なんだよね…?
普通に出来るんだよね…?
少しでも期待してしまうと…あたしの気持ちが膨らんでいきそうで怖いから。
心の中で、何度もあたしの気持ちにブレーキを掛けた。
彼が言っていた、海の近く巡りは…
何回かここの海に遊びにきた事はあったけど、
あたしが行った事無い所ばかりで…
ゲーセンの時とはまるで違って大人のデートコースだった。
こんなに色々な店知ってるなんて凄いな…
なんて思ったけど、他の女の子とも来てるだと思い…一瞬で掻き消した。
あたしはずっと…男の人とデートなんてした事なかったし…
この位の歳になると、こんなデート、普通なのかな?
加奈子もこんなデートしていたのかな…?
不意に、あたしが恋愛を休んでいた期間…学生の時と社会人になってからのデート違いに寂しさを感じてしまった。