再び始まった恋。

「今日は海の近く巡りって事で……まずは飯だな」



海の近く巡り…?

なんか…旅行みたいな言い方してるし…



そう言った彼はあたしの手を自然に握り歩き出した。


また…あたしの手…


彼の冷たい手に包まれてる…


こうゆう事するのが彼の中では当たり前なんだよね…?


普通に出来るんだよね…?


少しでも期待してしまうと…あたしの気持ちが膨らんでいきそうで怖いから。



心の中で、何度もあたしの気持ちにブレーキを掛けた。




彼が言っていた、海の近く巡りは…

何回かここの海に遊びにきた事はあったけど、
あたしが行った事無い所ばかりで…


ゲーセンの時とはまるで違って大人のデートコースだった。



こんなに色々な店知ってるなんて凄いな…


なんて思ったけど、他の女の子とも来てるだと思い…一瞬で掻き消した。



あたしはずっと…男の人とデートなんてした事なかったし…

この位の歳になると、こんなデート、普通なのかな?



加奈子もこんなデートしていたのかな…?



不意に、あたしが恋愛を休んでいた期間…学生の時と社会人になってからのデート違いに寂しさを感じてしまった。




< 150 / 178 >

この作品をシェア

pagetop