再び始まった恋。
そして…
空も薄暗くなった頃、海を眺めに海沿いで腰を降ろす。
二人で見る景色…
最後に心に残る景色は…
真っ赤な太陽がもう沈んでいて…
薄暗い中に、電灯達が海にスポットライトを当てる様、海を照らしていた。
波の音と、潮風…
そんな景色と…音…香り…
何処か今のあたしの気持ちと似ていて…
心苦しくなった。
これで…今日で最後。
久し振りに、開けた恋愛の道…
前向きに進もうと思ったのに…今日で最後。
あたしの心の中も光を失って薄暗い。
光が欲しいのに…手を伸ばしても届かない。
人工的に作られた光ならあるのに…
それすら手を伸ばしても届かないんだ。
手を伸ばしても貴方はあたしを見てくれない。
貴方もあたしと一緒?
美智に手を伸ばしていても…握り返してくれなかったの?
ずっと想っていたのに届かなかったの?
あたしなら…その手すぐに握り返してあげるのに。
あたしなら届く所に居るのに…
隣りに座っている彼に視線を向けると、真剣な顔で海を眺めている。
―貴方は今何を考えていますか?
誰を想っていますか?