再び始まった恋。

あれは何回目の告白だっただろ…


夕佳里は観念した様に俺に微笑んでくれたよね?

そして…

負けたよ…って。

言ったんだ。



俺はそんな夕佳里に迷う事無く君の温かい手を…
絶対に離さない。と決めて握ったんだ。



この時はまさか…自らその手を離すなんて思ってもみなかった。




自然に笑う夕佳里…

頬を膨らませて拗ねる夕佳里…

俺の事を好きになっている夕佳里…


すべて愛しかった。

夕佳里のすべてが…




でもいつからだっただろ…

そんな気持ちも忘れてしまっていたのは…


隣りに居る夕佳里が当たり前の事に感じたのは…



だから…夕佳里からの言葉が欲しかったんだ。


表情を見ていても俺を好きな事くらいわかっていたけど…


好き。の一言が夕佳里の口から聞きたかった。



一度も聞いた事の無い夕佳里からの愛の言葉を…




大学を卒業した社会人の俺とまだまだ学生の夕佳里。



ガラッと変わった二人の日常。



当たり前の様に俺の隣りには夕佳里は居なく…
夕佳里の隣りにも俺も居なかった。




< 159 / 178 >

この作品をシェア

pagetop