再び始まった恋。
あれは何回目の告白だっただろ…
夕佳里は観念した様に俺に微笑んでくれたよね?
そして…
負けたよ…って。
言ったんだ。
俺はそんな夕佳里に迷う事無く君の温かい手を…
絶対に離さない。と決めて握ったんだ。
この時はまさか…自らその手を離すなんて思ってもみなかった。
自然に笑う夕佳里…
頬を膨らませて拗ねる夕佳里…
俺の事を好きになっている夕佳里…
すべて愛しかった。
夕佳里のすべてが…
でもいつからだっただろ…
そんな気持ちも忘れてしまっていたのは…
隣りに居る夕佳里が当たり前の事に感じたのは…
だから…夕佳里からの言葉が欲しかったんだ。
表情を見ていても俺を好きな事くらいわかっていたけど…
好き。の一言が夕佳里の口から聞きたかった。
一度も聞いた事の無い夕佳里からの愛の言葉を…
大学を卒業した社会人の俺とまだまだ学生の夕佳里。
ガラッと変わった二人の日常。
当たり前の様に俺の隣りには夕佳里は居なく…
夕佳里の隣りにも俺も居なかった。