再び始まった恋。
彼の真っ黒な瞳ががあたしをずっと捕らえている。
そんな彼からあたしも瞳を逸らせない。
逸らしたくても力強い瞳からはどうしても逸らせない。
ビックリしているのはあたしだけ。
彼は無表情であたしを見ているだけ。
そんなに見ないでよ。
どうして?
あの時、一度だって見てくれなかったのに…
「健永!夕佳里ちゃんと知り合いなのか?」
あたしとずっと視線を合わせていた事に鈴木君が不思議に思ったのだろう。
鈴木君のその言葉で思い切って彼から視線を逸らし加奈子を見た。
そんな加奈子も不思議そうにあたしを見ていて…
「夕佳里、知り合いなの?」
言いたくない。
彼の事を知っているなんて言いたくない。
「あっ!…いや~初め―――」
「……高校の時の同級生」
初めましてだよ…と言うつもりだったが、
彼があたしの言葉を遮る様に言葉を発した。
あたしの事、覚えてたんだ。
忘れてくれてて良かったのに…
どうして覚えてるのよ。