再び始まった恋。

夕佳里の事だから…寂しんがっていたんだろうな?


なんて…わかっていたけど口には出来なかったんだ。



俺ばかり想いをぶつけてるみたいで…言えなかったんだ。



無性に夕佳里からの好きの言葉が聞きたくなった。


二年間、一度も聞いた事の無い夕佳里からの愛の言葉を…どうしても欲しかったんだ。



そんな想いは会えない時間が募らせるばかりで…


今までの女は抱き合う度、愛の言葉を囁いていたのに…どうして夕佳里は言ってくれない?


俺がこんなにも自分から恥じらいも無く、愛の言葉を囁いているのに…


次第に不安を感じてしまっていった。



夕佳里がどうして言わなかったのか…言いたくなかったのか…なんて…


全く、気付かなかった。
わからなかった。



ただ、俺の今までの想いをぶつける様に…


言ってはいけない事を言ってしまっていたんだ。




俺の不安をぶつけるかの様に、彼女を傷付けてしまったんだ。



その言葉が夕佳里との別れに繋がる言葉だったとは気付かずに…



俺の口は開くばかりだった。




< 160 / 178 >

この作品をシェア

pagetop