再び始まった恋。
久し振りに会う夕佳里はまた一段と綺麗なっていて…
俺に何のためらいも無く笑いかける彼女。
その笑顔が大好きだったのに…その時は無性に腹が立った。
俺の気持ちの変化にも気付かず笑ってる夕佳里に…
腹が立った。
いや、それは言い訳かもしれない。
毎日毎日、いくら夢の為とはいえ、遅くまで働き詰めで、
学生の頃とは違う日常にうんざりだったのかもしれない。
俺が次々と言葉を発する事に、夕佳里の目の前にある笑顔が崩れていった。
そんな夕佳里の表情を見て心が今までに無い位痛んだんだ。
当たり前だと思ってしまっていた夕佳里の笑顔。
俺の隣りでは…見れなくなった瞬間だった。
どうして…
わかってあげれなかったんだろ。
夕佳里のすべてを手に入れた様な感覚になっていたんだろう。
すべて当たり前の様に思っていたんだろう。
こんなにも側に居てくれた事が大事な事だったなんて…
思いもしなかった。
後悔…
夕佳里を手放した事、隣りに居れない事、アイツを全身で愛せない事を…
身をもって痛感した。