再び始まった恋。
俺は夕佳里が笑って過ごせるなら俺も笑って過ごせるから…
だから一人で力不足な時は友達として…サークルの仲良かった先輩として…時には元彼として頼って欲しい。
まぁ、こう言っても夕佳里はいつも一人で頑張るんだろうけど…
「…ありがとね。武人!」
お互い自然に頬が緩む。
もう、お互い過去は見ていない。
過去には戻れないから。
過去に縛られる人生は悲しみと苦しみがあるから。
だから…前に進むんだ。
俺も夕佳里も…
「なぁ…一つ聞いてもいいか?」
どうしても気になっている事があった。
どうしても知りたい事があった。
「どうしてさ、夕佳里は好きとか言ってくれなかった訳?」
やっぱり、夕佳里を諦めようとしても…その事が気掛かりだった。
言って欲しいと願っていた日々。
無駄にはしたくなかった。
「やっぱり、言わなかったのが別れの原因だったのかな?…」
そうは呟く様に夕佳里は過去を振り返りながら話始めた。