再び始まった恋。
「あたしさ、少しの間…仕事休んで地元に帰ろうと思うの」
麻生 健永から逃げるように出できた地元。
美智との思い出が沢山ある地元。
思い出したいんだ。
あの頃のあたしを…
恋愛を必死でしていた日々。
何があっても側に居てくれた親友の有り難さ。
忘れているような気がするから…
「そっか…夕佳里が決めた事だしね!」
「うん…ありがと…加奈子」
もう、逃げたくない。
もう、避けたくない。
2人共大事な人だから…
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「あら、待ってたわよ。夕佳里はなかなか帰って来ないんだもん。お父さんも寂しがってたわよ…」
「…ごめんね。これからはたまに帰って来るから…アハハッ…」
久し振りに見る母の姿に喉の辺りがギュ~っと締め付けられる様な気がした。
「どうしたの?急に帰ってくるなんて都会の生活に疲れたとか?」
リビングに重たい荷物を置き、母の煎れた温かいコーヒーに口を付ける。