再び始まった恋。

「私達が始めて会ったのは21歳の時でね?お父さんは26歳。ふと立ち寄ったbarで知り合ったの」



へぇ~知り合ったのって以外に若かったんだ。


てか、barって…



「カウンターの一番隅っこでクールにお酒を飲んでるお父さんに一目惚れ!お父さんも若かったお母さんにその時一目惚れ!」



「いやぁ…なんか以外。想像出来ないし」



「そう?それから自然とそのお店で会う様になったの。それで…お父さんが良く話す楽しい人だって事を知ったのよ。そんな所にも惚れちゃって…へへっ!」



まるで…その頃に戻った様に話すお母さんを見て、可愛いな。なんて思ってしまった。



お母さんも必死でお父さんと恋愛をして、今でもお父さんを強く想っているんだ。



「夕佳里にも居るんでしょ?好きな人!」



「はっ?…えっ!?」



急に少女の様になっていたお母さんが、母親の顔になりあたしに以外な言葉を掛けてきた。



「夕佳里…恋してる顔してる」



お母さんの言葉になんて言っていいかわからない。


ただ、涙をグッと堪える事しか出来ない。


お母さん…ズルイよ。




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