再び始まった恋。
「恋って楽しい事ばかりじゃ無いのよね?でも…悲しい事ばかりじゃないじゃない?勇気さえあれば…乗り越えられるわよ!」
勇気かぁ…
後、少しの勇気さえあれば…
「お母さんもお父さんもいつでも、夕佳里の見方だから…恐い事なんて無いわよ?」
「おかぁ…さん」
昔もこんな事言われた気がする。
麻生 健永にフラれた時、元気の無い私にチラシの裏にお母さんの綺麗な文字で同じ事が書かれていたんだ。
その手紙を今でも大事に持っている。
昔も今もお母さんはあたしの事…大事に思ってくれているんだ。
「お母さん…ごめんね。それと、ありがと」
「大事な娘ですから!」
この歳にまでなって親に勇気を貰うなんて、心配掛けるなんて思っていなかった。
いつも、見えない所であたしを支えてくれていたんだ。
お母さんを見ると母親の顔で笑顔を見せる。
そんなお母さんに笑顔を返すと、瞳に溜まっていた涙が一粒、頬をつたっていった。