再び始まった恋。
なのに、どうして想い出させる様に突然あたしの前になんか現われるのよ。
知らないフリしてて、くれないのよ。
あたしなんか…どうだっていいでしょ?
どうして?
あたしが恋愛しないのなんて関係ないでしょ?
興味無いクセに聞いてきたりしないで。
関係無いのに…
関係無いのに…
どうして、悲しそうな顔するの?
そんな顔しないでよ。
あんたのせいじゃ無いんだから…
「夕佳里っ!!」
加奈子の呼び掛けにも気にせず、勢いよく席を立った。
「夕佳里っ!どうかした?」
「ううん。武人、ご馳走さま!じゃ!」
カウンターを横切ると武人があたしの異変に気付いた様に声を掛け、
そんな武人にあたしも軽く挨拶をする。
そして、重たいドアを開けると
先程よりも冷たくなった風があたしの全身を包んだ。
外へ一歩踏み出した途端…
体のすべての力が抜けた様な気がした。
あたしってば緊張してたんだ。
バカみたい…
あんなにムキになって…あたしバカみたい…
変わってない姿に少しでもドキッとした、
あたしバカみたい…