再び始まった恋。

なのに、どうして想い出させる様に突然あたしの前になんか現われるのよ。



知らないフリしてて、くれないのよ。



あたしなんか…どうだっていいでしょ?



どうして?



あたしが恋愛しないのなんて関係ないでしょ?



興味無いクセに聞いてきたりしないで。



関係無いのに…



関係無いのに…



どうして、悲しそうな顔するの?




そんな顔しないでよ。



あんたのせいじゃ無いんだから…




「夕佳里っ!!」



加奈子の呼び掛けにも気にせず、勢いよく席を立った。




「夕佳里っ!どうかした?」




「ううん。武人、ご馳走さま!じゃ!」




カウンターを横切ると武人があたしの異変に気付いた様に声を掛け、

そんな武人にあたしも軽く挨拶をする。



そして、重たいドアを開けると
先程よりも冷たくなった風があたしの全身を包んだ。



外へ一歩踏み出した途端…


体のすべての力が抜けた様な気がした。




あたしってば緊張してたんだ。


バカみたい…



あんなにムキになって…あたしバカみたい…


変わってない姿に少しでもドキッとした、

あたしバカみたい…





< 24 / 178 >

この作品をシェア

pagetop