再び始まった恋。
どんどん膨らんでいく彼への感情をどこにぶつければいいのかもわからず…
あっという間に彼を初めて見た季節なっていた。
何にも出来ず、ただ見ているだけの毎日。
変わる事の無い想いと、あたしの行動…
相変わらず、隣りには彼にふさわしい容姿の彼女達の姿。
でも進級したあたしに思いがけない事が起こった。
ある日、廊下を高校に入ってからの友達の美智と歩いていると…
反対の方から友達と歩いて来る彼が視界に入った。
すれ違うだけで、ドキドキしていて…
顔なんか勿論見れなくて頭を下げたまま彼の横を通り過ぎた。
フワッと彼の香水の匂いがして…そんな事にもドキドキしていた。
そんな心臓が爆発しそうな瞬間…
「なぁ、これ落としたぞ」
思った以上に低い声に思わず彼の顔を見てしまった。
真っ赤な顔のあたしに対し、落としたモノを見て彼は微笑んでいた。
「まだ寒いもんな…はい!」