再び始まった恋。

初めて好きになった人に、初めての告白。



実らせてみたい。


そんな一心であたしは貴方を呼び出したんだ。




呼び出した場所に貴方が来てくれた時、また涙が出そうになった。




嬉しくて…嬉しくて…




「…好き、です。付き合って下さい…」



あたしのめい一杯膨らんだ気持ちをその一言に託した。


もう十分。



この言葉だけで十分。



あたしの気持ちはこれで全部。




どうしても、貴方に伝えたかった。



淡い淡い初恋の想い出にしたかった。




あたしの目の前に現れてから一度も顔を上げてくれない彼。



勿論、あたしの顔なんか見てくれない。




それでも、あたしは貴方をずっと見ていたから…


ほんとはね、貴方のそんな姿にわかっていたんだ。



この恋は実らないって…事。




でも、貴方への気持ちとこの勇気を無駄にしたくなかったから…



だから…あたしは貴方だけを見つめていたんだよ。




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