再び始まった恋。

次の日、目を腫らしたまま学校へ行くと

皆があたしをジロジロ見て何かコソコソと話していた。




何が何だかわからないあたしの耳に届いた彼の名前。




そのうち聞こえる様にあたしまで聞こえる内緒話。




全部、全部。


麻生 健永の事。


昨日の出来事の事。



あたしが告白してこっぴどくフラれてしまったと言う事。




皆、バカにする様に口を揃えて言う。



可哀相に…


身の程知らず…



そんな言葉を浴びせられた。




あたしが密かに想いを寄せていた事が、
この頃の噂話としてみるみる学年中に回ってしまった。



あたしを見る度、浴びせられる言葉達。



彼を好きな女子達からの嫌がらせ。



彼を眺めていた平凡な日々から、
全く逆のモノになった悲しい日々。




そして、あたしの気持ちを少しも受け取ってくれなかった…
この噂話を広げた張本人。




あたしは麻生 健永を大好きだった初恋の人から、
大嫌いな初恋の人へ気持ちが移り変わった。





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