再び始まった恋。

大きな声でそう言ってみると…



いきなり彼の綺麗な顔があたしの顔にゆっくりと近寄ってくる。



えっ!?


何っ!?



「えっ?ま、待って!」



近寄ってくる彼の胸元を押してみるけど、ちっとも動かない。



そんな事お構い無しの彼はあたしに近付いて来る一方。



あぁ~駄目だ。


こんな所で…あたし。




ぎゅっと目を閉じると、
フワッと彼の香水らしき良い匂いが鼻を刺激した。



……キスされちゃうの?



そんな事を思って覚悟するあたし。



一気に心臓がバクバク音を立てて鳴っているのがわかる。



落ち着こうと努力するも、
一旦ここまで早くなった心臓の音は消せる事無く…



はぁ~もう駄目…




そう思ったと同時に彼の髪の毛が
あたしの頬に微かに触れた。



ビクッとなるあたしの身体。



するなら早くしてよ…


もう、無理っ!!




「両替、行ってくる」




えっ?


両替??




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