再び始まった恋。
「ねぇ、夕佳里聞いてる?何、ぼぉーとしちゃって!」
加奈子は不機嫌そうな顔をしてあたしを見ている。
あれ?
何の話だっけ?
「ごめん、ごめん。最近仕事忙しくてさぁ~エヘヘ…」
「笑って誤魔化さないっ!!
で、どうして今まで彼氏作らないのよ?言い寄って来る男だって居るんだしさ!」
どうしてって…
そんなの…
「あたし恋愛体質じゃ無いから!」
「はぁぁぁ~?何それ…意味わかんない」
だって、あたしには恋愛は向いて無いもん。
愛情表現も上手く出来ないし…
また誰かを好きになるなんて考えられない。
「恋愛したくないの」
嬉しい事もあれば、
悲しく辛い事もある。
そんな感情もういらない。
何も考えないでごくごく普通に生活したい。
って、あたしオバサン??
「いいもんだよ!恋するのも…」
加奈子の綺麗な笑顔があたしの瞳に映る。
そんな加奈子に冷たい視線しか送れないあたし。