再び始まった恋。

「もう、いいよ。諦める…」



こんなに頑張っても駄目ならしょうがない。


お金も沢山使わせてるし…


あたしの我が儘にこれ以上付き合って貰うのも悪い。



「じゃ、これで最後」



そう言った彼は今まで以上に真剣な顔でポッキーを見つめていた。



そんな彼にやっぱり…
あたしはどんどん惹かれている事に気付いてしまう。



以外だった。


こんな所に連れてかれた事も。


こんなにあたしの我が儘に付き合ってくれる事も。


こんなに笑ってる彼を見た事も。



少しはあたしとこうやってて楽しんでくれたのかな?


なんて、思ってしまう。



大好きだった彼の笑顔が今、
側であたしが見ている。


あたしに向られている。


そう考えると…


彼の心の中に入ってしまいたくなる。



止めなきゃ、この気持ち。

と思えば思う程…



あたしの心の中に彼がどんどん入ってくるんだ。



どうして、麻生 健永はこうやってあたしの心を簡単に掴むんだろう。




< 60 / 178 >

この作品をシェア

pagetop