再び始まった恋。

「遅かったから」



急に扉が開いた事に驚いているあたしに、彼は無表情で呟く。




「あっ…そっか…」



正面に彼を見ていられない。


恥かしいのと…

好きが溢れ出ちゃいそうで…



「そうだ…これっ!」



買い物した物が入っているスーパーの袋を彼に差し出した。



その袋を彼は手に取り、中身を軽く確認すると…



「サンキュー」



元気無さそうに笑顔を作り、お礼を言う彼にあたしはまた胸の高鳴りを感じ…



「だ、大丈夫?風邪…」



凄く辛そうに見える。


いつも会う時はきちんとしたスーツ姿だし、

スウェット姿で髪の毛が少し乱れている彼が
ほんとに風邪を引いてダルそうな事を物語っていた。




「なかなか、熱下がらねーんだ」



髪の毛をクシャクシャっと鷲掴み視線を下に向る彼。



そんな姿にもあたしはドキドキしてしまい…


いつもと違う彼にまた心を奪われてしまった。




「寝てたんだよね?ごめんね。起こしちゃって……じゃぁ、お大事に…」



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