再び始まった恋。
「えっ!待って…!!」
何にも言えないあたしを玄関まで引き摺る様に引っ張る彼。
どうして…こうも強引なのよ。
カチンと頭に来るも…この強引さにも惹かれているあたし。
いつも彼のペース。
嫌じゃないんだ。
自分がこんなにも胸を高めているのも…
きっと彼だから。
あたし…完璧に…
恋してる……
掴まれた腕が熱くて…なんだか落ち着いて…
強引さに何も言えなくて…少し居心地の良い物でもあって…
色んな表情をもっと側で見たいなんて思って…
彼のすべてを知りたいなんて思って…
とてつもなく一緒に居たいなんて…
思っているんだ。
あたしの恋始まったみたいだ。
避けてきた恋がまた再び始まったみたいだ。
もっともっと…あたしの知らない彼を感じたい。
もっともっと…彼に触れたい、触れて欲しい。
「…俺、料理出来ねぇんだ」
そう言って恥かしそうに俯く彼が可愛くて…愛しくて…
「わかったよ。…作るよ…お粥」