再び始まった恋。
大切なモノ
部屋に案内され周りを見渡してみる。
そこには、子供っぽさが一つも見られない大人の部屋があった。
真っ黒な家具達に大きいテレビがどんっと置いてあって…
男の人の部屋にあたしが居るんだ。なんて実感してしまった。
「…ひ、広いね」
外観を見てなんとなく想像は出来たけど
あたしの想像を遥か超える広さと内装で…
見た感じ…寝室は別にあるみたいだし…
何年振りかに男の人の部屋に入ったけど
この歳の男の独り暮らしはこんなんなの!?
「去年、このマンション買ったんだ…」
ダルそうに大きい真っ黒なソファーに腰掛け、そう言う彼。
買ったの!?
25歳でマンション購入したなんて…
考えられない。
「す、凄いね」
大手の会社に勤めている彼。
やっぱ、あたしのOLとは給料も違えば身分だって違うんだよね…
そんな感心してる場合じゃない!
「…キッチン使っていいの?」
「…あぁ」
あたしはこの部屋にお粥作りに来た訳で…
遊びに来た訳じゃないんだもん。