再び始まった恋。
大切なモノ

部屋に案内され周りを見渡してみる。



そこには、子供っぽさが一つも見られない大人の部屋があった。



真っ黒な家具達に大きいテレビがどんっと置いてあって…


男の人の部屋にあたしが居るんだ。なんて実感してしまった。



「…ひ、広いね」



外観を見てなんとなく想像は出来たけど
あたしの想像を遥か超える広さと内装で…


見た感じ…寝室は別にあるみたいだし…


何年振りかに男の人の部屋に入ったけど


この歳の男の独り暮らしはこんなんなの!?




「去年、このマンション買ったんだ…」



ダルそうに大きい真っ黒なソファーに腰掛け、そう言う彼。



買ったの!?

25歳でマンション購入したなんて…


考えられない。



「す、凄いね」



大手の会社に勤めている彼。


やっぱ、あたしのOLとは給料も違えば身分だって違うんだよね…



そんな感心してる場合じゃない!




「…キッチン使っていいの?」



「…あぁ」



あたしはこの部屋にお粥作りに来た訳で…


遊びに来た訳じゃないんだもん。




< 85 / 178 >

この作品をシェア

pagetop