再び始まった恋。
「出来た…よ……?」
出来たお粥を持って、キッチンから出てリビングに行くと…
ソファーに深々と腰を掛けて眠っている彼が目に入った。
寝ちゃったんだ…
寝顔…もカッコいいんだな。
スースーと聞こえる彼の寝息にあたしの口元が自然と緩む。
なんか…可愛い。
ぎゅって抱き締めたくなっちゃうよ。
あたしに風邪移してもいいよ…なんて思っちゃうよ。
あたし…重症かも。
あたしの心の中がすべて彼に包まれてる感じがする。
胸一杯、彼の事だらけの様な気がする。
好き…好き…好きだよ。
麻生 健永があたし好きだよ。
心の中で何度も呟く。
幾ら彼が眠っていても口には出せないこの想いを…
何度も、何度も…何度でも…
呟くよ…あたしは…
心の中で。
言えないんだもん。
この想い…
せめて心の中で呟く位はいいよね?
「…あっ……出来た?」
彼の近くでお粥を持って立ち尽くしている彼が…目を覚ましあたしに問い掛けてくる。