花萌ゆる、恋。


「あづちん、ちゃんと謝ったほうがいいよ〜」


もう1人はその反対側にしゃがみ込み、膝に肘立てて手の上に顔を乗っけている。


女の子みたいに可愛い顔をしていて、何だか全体的に小さい。


私よりは大きいと思うけど。



何だか私たちはしゃがみ込んで円を描いているようなポジションになった。



…なんだコレ。


なんだか無性に居心地が悪くなってくると、ポツリ、目の前にしゃがみ込んでホースを持った少年が口を開いた。



「…オネーサン、泣いてた?」


私はその言葉を聞き、グッと唇を噛んだ。

図星だし…

もしかして、見られてた?



口を開こうと思った瞬間___


……ハックション!!!!



盛大なくしゃみをしてしまった。

シーンと静まる雰囲気。


し、死にたい…


「…フハッ、色気のねーくしゃみ」


吐き出すような笑顔にドキッとした。
整った唇から八重歯がチラッと見え、クククッとまた笑ってる。

あれ?待って、今なんて?

い、色気のないくしゃみ?



「そっちが水なんてかけてきたからでしょ?!」


色気がないですって?!

先輩に向かってなんて失礼な後輩なの!


私はその場に立ち上がりキリッとその少年を睨み校舎に走っていった。


な、な、なんなのさ!


バカにしてっ!

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