花萌ゆる、恋。
「ぎゃ!いのり…あんた、どうしたの?!びちょ濡れじゃない!」
教室に戻りあやの元へ駆けつけると、物凄い形相で私を見た。
そういえば、水かけられたんだった!
だから廊下を走っていた時、みんな私をジロジロ見てたんだ。
今は6月の中旬。
少しジメジメしているけど、水をかぶったので少し肌寒い。
まだ髪も湿っている。
きっと顔も泣いていたので最悪だ。
あぁなんで水なんて…
さっきの少年のバカにしたような笑い顔が脳裏に浮かぶ。
思い出しただけでムカつく!
「あんたそれはダメよ…女として」
なんてあやは首を横に振っていた。
私はジャージに着替えようとロッカーを見たがいつもあるはずの場所に見当たらない。
あっ!
そういえば昨日持って帰ったんだった。
忘れてた…