花萌ゆる、恋。
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「あれっ?お弁当がない…」
放課後、乾いた制服に着替え、カナに貸してもらったジャージをバックに入れようとした時お弁当の存在が無いことに気付いた。
机の脇のフックにも、ロッカーの中にもない。
あれ、どこやったっけ?
カナと一緒に食べようとして、食べれなくて……
─ズキ。
もー、嫌なこと思い出した。
頭を振ってその後のことを思い出す。
…あ!校舎裏!
あの時、お弁当忘れて行っちゃったんだ!
その事と同時に思い出すのは、ホース少年。
と同時にムカッと、する。
お弁当も濡れてたりしたかな?
どうか無事でいて〜!
私は校舎裏に寄ろうと教室を出た瞬間に、目の前に今朝見た景色がまた目に飛び込んできた。
カナと、美弥ちゃん。
…そっか。
帰りも一緒なんだっけ。
見たくはなかった物を見てしまい、すぐ教室に戻ってしまった。
私の臆病者め。
私は少し経ってから校舎裏に行くことにした。
何だか今は帰っている途中で遭遇してしまいそうで怖い。
さっきから傷ついたりムカついたり忙しいな、自分。
私は帰る支度をしてから校舎裏に向かった。