花萌ゆる、恋。


そんな彼女は私をチラッと見た後すぐにカナに視線を戻し「行こっ」と腕を引っ張っていった。


カナは私に手を振った後、その手で美弥ちゃんの手を握って2人は歩いていった。


振り返した私の手が行き場をなくし少しづつ下りていく。


私の今の気持ちのように。




私、木下いのりは幼なじみのカナに恋をしている。


初恋だった。


小さい頃からずっと一緒。



カナはモテるけど彼女は一切作った事が無かったからもしかしたらって思ってたのに。


…こんなの虚しすぎる。



てゆうか今日一緒に行けないなら今のご時世、携帯と言うものがあるんだからそれで昨日か今日の朝連絡くれれば良かったのに。



そしたら、カナに合わせて早く家を出なくてすんだのに。


目の前であんなの、見なくてすんだのに。



こんなに沈んだ私の気持ちをどうしてくれるんだ。




私は前を歩く2人を見てはため息をつき見てはため息をつきを繰り返していた。

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