花萌ゆる、恋。
なんて考えているとあやは
「あんた今、三上に伝えた方がいい。なんておもってないでしょうね?」
と言った。
「えっ、なんでわかるの?」
あやってば、エスパー?
私の考えていることが分かるなんて。
あやは盛大にため息をついた後、私に忠告するように指を指す。
「いい?バカなこと考えるんじゃないわよ」
「バカなこと?」
「三上に噂を伝えることよ!」
あやはバンッと自分の机を叩き、私は驚いて肩を揺らす。
まるでどっかで見た、刑事ドラマだ。
「逆にチャンスだと思いなさい」
「…チャンス?」
「そう、チャンス!」
思いがけない事を言われ呆気にとられた私。
チャンスってどこがチャンスなの。
半信半疑で聞いている私にあやは口が止まらずに喋り続ける。
「良かったじゃない、相手が本気じゃなくて」
「…どうゆう意味?」
「だから、もし噂が本当だとしたら三上が篠田美弥を好きになったら別れるのよ?
きっと女に懲りてもう彼女作らないでしょうね」
あやは言い終わった後、フフッ笑って私を見た。
私はそんなあやを見てポカンと口を開ける。