花萌ゆる、恋。
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午前中の授業が全て終わりお昼休みになった。
あー、お腹空いたなぁ。
私はいつものようにお弁当を2つ持って机から離れ教室を出ようとドアに向かう途中、グイッと腕を引かれた。
えっ、何?!
「ちょっと、いのり。あんたどこ行くの?」
「なんだ、あやか。びっくりしたなぁ」
腕を引いた相手を見ると眉間にシワを寄せたあやの姿が。
なんでそんな顔してるの?
「まさか、三上のところ行くんじゃないでしょうね?」
「何を今更。毎日カナのところ行ってるじゃない」
そう私が言うと、あやは更にシワを寄せて何かを考え込むような動作をした。
私何か変なこと言った?
「いのり、三上は彼女が出来たのよ?
お昼なんて一緒に食べれるわけないじゃない」
「でも、出来ないのは登下校しか聞いてないよ?
それにお弁当作ってきちゃったし」
「あのねぇ」
「まずは様子見!敵を知らなくちゃ!」
「…分かった、行ってきな」
あやは呆れたようにそう言い残し自分の席に帰っていった。