花萌ゆる、恋。


□□□


午前中の授業が全て終わりお昼休みになった。


あー、お腹空いたなぁ。


私はいつものようにお弁当を2つ持って机から離れ教室を出ようとドアに向かう途中、グイッと腕を引かれた。


えっ、何?!


「ちょっと、いのり。あんたどこ行くの?」

「なんだ、あやか。びっくりしたなぁ」



腕を引いた相手を見ると眉間にシワを寄せたあやの姿が。


なんでそんな顔してるの?



「まさか、三上のところ行くんじゃないでしょうね?」

「何を今更。毎日カナのところ行ってるじゃない」



そう私が言うと、あやは更にシワを寄せて何かを考え込むような動作をした。


私何か変なこと言った?


「いのり、三上は彼女が出来たのよ?
お昼なんて一緒に食べれるわけないじゃない」

「でも、出来ないのは登下校しか聞いてないよ?
それにお弁当作ってきちゃったし」

「あのねぇ」

「まずは様子見!敵を知らなくちゃ!」

「…分かった、行ってきな」



あやは呆れたようにそう言い残し自分の席に帰っていった。


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