君にまっすぐ
あかりと友達になって早数ヶ月、彼女とのドライブを楽しむためにそれ以外の日はタイトなスケジュールで仕事に取り組んでいるが、あかりと会うためだと思うと苦にはならない。
むしろ以前よりも仕事がはかどり、更に早くなったと秘書からは感謝されるほどだ。

孝俊はあかりとの時間を本当に楽しみ、安らぎを感じていた。
仕事のストレスも今まで感じていた無力感もあかりを前にするとどこかへ吹き飛んでしまうようだ。
前向きでひたむきなあかりが孝俊にパワーを与えてくれる。
何も考えずにリラックスして人と対等に会話をすることがこんなにも楽しいことだとは知らなかった。

孝俊はあかりとのこの関係をずっと続けていきたいと思ったし、続けていけると思っていた。
結婚したとしても友達としてこの関係を続ければいい。
そして冷めた家庭で冷めた孝俊の気持ちをあかりが温めてくれればいいのだ、と。


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