悪い目覚め

「みーつけた…」

とニヤニヤとした
男の顔が目の前に現れた。

見つからない見つかりたくないという
少しの期待 気持ちを裏切られ
油断をしてた俺は
男に出来る限りの抵抗をするのに必死で
男の右手を見ておらず
男が右手を振りかざした瞬間
右肩に強い痛みが走った。

「ヴァァァァ痛い…痛い…」

焼けるように熱い…
体が必死になって
血を送ろうとしているのがわかる
そして温かい血液が流れ出ているのも
わかる

「グフフフ…痛いかい?
じゃあ少し楽にしてあげるよ」と

男が言っている言葉が頭の中で理解できず意識が遠退きそうなのを感じ
必死に意識を保つのに必死な俺に
男はさらに俺の体を刃物で刺した。

「ヴッ…ァァァァ…ィィィ…
イタァァァイ…たすけ…」

言葉にならない痛みに耐える俺に

「助けなんて来ないよ?グフフフ…」

そう言った瞬間…ドアが開く音が聞こえ
部屋の明かりがついた…。

「お兄ちゃん何なの?
こんな時間に…時間考えてよね!!!
あのメッセージと言い、
変な悲鳴あげてキモいんだけど?
何のいたずら?」

と不機嫌な顔をした妹が部屋に入ってきた

こっちに来るな…

と言いたいが声が出ない俺

俺の代わりに男が

「やぁやぁ…
不幸なお嬢さん可愛いね。
お名前は…愛紅ちゃんだったかな?」

と妹に話しかける
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