次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
燿子母さんにドレスを身体に当てられたのだ。
「やっぱりピンクかしら?」
「そうねぇ、でももう少し大人っぽい色も試してみたらどうかしら?」
「じゃあ、このロイヤルブルーは?」
名倉さんにサポートされた耀子母さんとお祖母様が私を人形に、着せ替えごっこを始めた。しかも、とても楽しそうに。
今すぐ駿介を問い詰めたいのに、二人が楽しそう過ぎて、やめて欲しいと言えない。
「やっぱり女の子の衣装は選ぶのが楽しいわね」
「えぇ、本当に。ね、こうして三人で選んでいると文香のピアノの発表会を思い出しません?」
すっかりご機嫌になった耀子母さんが思い出したのは、もう十年以上前の話だ。
中学生だった私がピアノの発表会に着るドレスを買うためにお祖母様が百貨店の外商さんを自宅に呼んでくれた。
いつもの外商さんは私に合うサイズの沢山のドレスを持って来てくれた。でも私は値札に書かれた数字にビビって、ちっとも選べなくて、どうしたら良いか分からなくて、最終的には泣いてしまったのだ。
「やっぱりピンクかしら?」
「そうねぇ、でももう少し大人っぽい色も試してみたらどうかしら?」
「じゃあ、このロイヤルブルーは?」
名倉さんにサポートされた耀子母さんとお祖母様が私を人形に、着せ替えごっこを始めた。しかも、とても楽しそうに。
今すぐ駿介を問い詰めたいのに、二人が楽しそう過ぎて、やめて欲しいと言えない。
「やっぱり女の子の衣装は選ぶのが楽しいわね」
「えぇ、本当に。ね、こうして三人で選んでいると文香のピアノの発表会を思い出しません?」
すっかりご機嫌になった耀子母さんが思い出したのは、もう十年以上前の話だ。
中学生だった私がピアノの発表会に着るドレスを買うためにお祖母様が百貨店の外商さんを自宅に呼んでくれた。
いつもの外商さんは私に合うサイズの沢山のドレスを持って来てくれた。でも私は値札に書かれた数字にビビって、ちっとも選べなくて、どうしたら良いか分からなくて、最終的には泣いてしまったのだ。