次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない

「確かにそうだな。あの二人は本当の親子みたいってより、友達みたいな関係ってほうが近いかもな」

「素敵だよね。羨ましい」

「文香も仲間に入れてもらえばいいだろ。今でも半分入ってるようなもんなんだし」

「そんな‥‥ダメだよ」

駿介の発言に、同じように軽く返せなかった。


だって、出来るわけないじゃない。仲間に入れてもらえるのは私じゃない。駿介のお嫁さんになる人なんだもん。


そのまま黙ってしまったら悲しみに飲み込まれてしまいそうで怖くて、必死に言葉を探して口にする。

「き、今日のパーティって一族の人、沢山来るの？」

「え？あ、ああ、パーティな。そりゃ来るだろうな、ランドホテルはグループの中でも中核をなす企業の一つだし。おかげで会いたくない人間にも会ってしまうが」

「それって‥‥」

「もちろん、あの妖怪だ」