次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
60を越えているはずだけど、小太りなせいでシワの少ない顔に明るいブラウンの髪。ローズレッドにてらてら光る唇を忙しく動かしながら、返事をする間も与えずに話す。
「まぁ、すっごいわね!今日はいつもよりおめかしして来てくれたの?こんなに頑張ってオシャレして来てくれるなら、文香さん自身にも招待状を送るんだったわ。ああ、でも、駿介さんにお願いしたら同伴出来るんだから、必要なかったかしら?この格好も駿介さんにお願いしたの?」
にこやかなのに言葉にはトゲを感じるし、その目はどこか爬虫類的で見られると相変わらず居心地が悪い。
「睦子叔母さん、お久しぶりです。こちらからご挨拶すべきでしたのに、お声かけ頂いて申し訳ありません」
「あらー、そんな事いいのよ。それより、私、文香さんにどなたかご紹介したいと思って、会える機会を探していたの。ね、文香さんの好みのタイプを教えて欲しいわ」
「いえ、あの、私はまだ結婚は考えていません。ご紹介でしたら、先ず駿介さんに‥‥‥」
縁談話をさせる度に繰り返している断り文句を言う途中で、やけに楽しげに笑った睦子叔母に遮られた。
「まぁ、すっごいわね!今日はいつもよりおめかしして来てくれたの?こんなに頑張ってオシャレして来てくれるなら、文香さん自身にも招待状を送るんだったわ。ああ、でも、駿介さんにお願いしたら同伴出来るんだから、必要なかったかしら?この格好も駿介さんにお願いしたの?」
にこやかなのに言葉にはトゲを感じるし、その目はどこか爬虫類的で見られると相変わらず居心地が悪い。
「睦子叔母さん、お久しぶりです。こちらからご挨拶すべきでしたのに、お声かけ頂いて申し訳ありません」
「あらー、そんな事いいのよ。それより、私、文香さんにどなたかご紹介したいと思って、会える機会を探していたの。ね、文香さんの好みのタイプを教えて欲しいわ」
「いえ、あの、私はまだ結婚は考えていません。ご紹介でしたら、先ず駿介さんに‥‥‥」
縁談話をさせる度に繰り返している断り文句を言う途中で、やけに楽しげに笑った睦子叔母に遮られた。