次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
幸恵さんの心配はありがたいけど、いろんな悩み事から解放されるにはこれが一番の解決策だ。

このまま続けば、駿介も敏彦さんから私への連絡攻撃に気付くだろうし、そうしたらまた別の問題になってしまう。

穏やかに静かに問題をやり過ごすにはやっぱりこれが一番の方法だと思う。

「駿介さんへはちゃんと話しますから、出来るだけ早く頼んで下さい。」

きっぱりと言い切る私に幸恵さんがため息をつきながら頷いてくれた。

「いいわ。でもお見合いイコール結婚相手が見つかるって事ではないのよ。それをキチンと理解しておいてね」

「はい」



幸恵さん、ありがとうございます。でも私を気に入ってくれるなら、誰でもいいんです。だってどんな人でも駿介じゃないから。



こんな事考えてるって知ったらきっと真っ正面からお説教してくれるだろう優しい先輩に、心の中でそっとあやまった。
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