次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
翌日の金曜日、いつものように朝の準備をこなしていたら、珍しく早く出社したニコニコ顔の岡崎取締役に声をかけられた。幸恵さんは早速、私のお願いをきいてくれたらしたい。
「蔵本さん、幸恵君から聞いたよ。じっくり吟味して、一番のオススメの人、紹介するからね。ちょっと待ってて」
「ありがとうございます。お世話をおかけします。」
一礼した私を見て満足げに頷いた取締役が自室に入っていくのを見送る視界の端に槇村秘書室長が見えて、顔が強張ったのが自分でも分かった。
今の会話、槇村さんに聞こえていただろうか?
「槇村さん、おはようございます」
何事もなかったように挨拶したら、槇村さんも「おはようございます」と言っただけでデスクに向かった。どうやら聞いてはいなかったらしい。
良かった。槇村さんのことだ、聞いていたらきっと駿介や大介父さんに報告するだろう。
ほっと息を吐いて、朝の準備に戻った私は槇村さんが複雑な表情でこちらを見ている事に気付いていなかった。
「蔵本さん、幸恵君から聞いたよ。じっくり吟味して、一番のオススメの人、紹介するからね。ちょっと待ってて」
「ありがとうございます。お世話をおかけします。」
一礼した私を見て満足げに頷いた取締役が自室に入っていくのを見送る視界の端に槇村秘書室長が見えて、顔が強張ったのが自分でも分かった。
今の会話、槇村さんに聞こえていただろうか?
「槇村さん、おはようございます」
何事もなかったように挨拶したら、槇村さんも「おはようございます」と言っただけでデスクに向かった。どうやら聞いてはいなかったらしい。
良かった。槇村さんのことだ、聞いていたらきっと駿介や大介父さんに報告するだろう。
ほっと息を吐いて、朝の準備に戻った私は槇村さんが複雑な表情でこちらを見ている事に気付いていなかった。