次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
私一人の力で不安材料を全て消す事はムリだ。かと言って頼れるのは‥‥‥。
巡る思考にキーボードを打つ手は止まり、いつの間にかパソコンの画面は真っ暗なスリープ画面。そこに映る、不安げに目を見開いた自分の顔を見つめ返して、心にフタをする。
やっぱり、ダメ。
ここで頼ったら、駿介だって私が心配になって、安心して夏希さんとの未来に踏み出せない。
幸せになれない。
かといって、國井の家族以外に睦子叔母を止められる人はいない。でも涼介君や大介父さんを頼っても、駿介が状況を知ってしまう事は変わりないだろうし。
その時、机の隅で不意に強い振動を感じて、ビクリっとした。
「まだ休憩時間だし、出ても大丈夫よ」
いつもなら引き出しにしまう携帯はそれを入れた鞄ごと、まだ机の上に出しっぱなし。それだけ、ぼんやりとしていたのだ。
「すみません」
幸恵さんの言葉に頷いて鞄から携帯を取り出したけど、急いだせいで相手も確認せず出た事を激しく後悔した。
「すっごいな。母さんに言ってもらったら、すぐに電話に出た」
巡る思考にキーボードを打つ手は止まり、いつの間にかパソコンの画面は真っ暗なスリープ画面。そこに映る、不安げに目を見開いた自分の顔を見つめ返して、心にフタをする。
やっぱり、ダメ。
ここで頼ったら、駿介だって私が心配になって、安心して夏希さんとの未来に踏み出せない。
幸せになれない。
かといって、國井の家族以外に睦子叔母を止められる人はいない。でも涼介君や大介父さんを頼っても、駿介が状況を知ってしまう事は変わりないだろうし。
その時、机の隅で不意に強い振動を感じて、ビクリっとした。
「まだ休憩時間だし、出ても大丈夫よ」
いつもなら引き出しにしまう携帯はそれを入れた鞄ごと、まだ机の上に出しっぱなし。それだけ、ぼんやりとしていたのだ。
「すみません」
幸恵さんの言葉に頷いて鞄から携帯を取り出したけど、急いだせいで相手も確認せず出た事を激しく後悔した。
「すっごいな。母さんに言ってもらったら、すぐに電話に出た」