次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
向き合うべき事実
約束の五分前、到着したホテルのロビーはブライダルフェアの飾り付けで華やいでいた。
淡い色の花たちと光を反射するスワロフスキー、花嫁の純潔を示す白いパールと一緒に色とりどりのオーナメントがキラキラ輝いてる。
幸せを象徴する飾り達は、もしかしたら私の結婚も幸福に繋がるのかも、と小さな希望を抱かせてくれる。
でもせっかく膨らんだその気持ちも私を責める不躾な声によって、ペシャンコになってしまった。
「なんだ、その格好は!真っ黒で葬式みたいじゃないか!」
「すみません、失礼のないようにと思ったのですが」
お葬式ならゴールドのアクセサリーはしないですって言葉はぐっと飲み込んだけど、納得出来ない気持ちは少し表情に出てしまったらしい。
「うちに嫁に来るなら、俺や母さんに口ごたえするのは許されないから覚えとけよ」
ふんっと大きな鼻息で言い切った敏彦さんは、私を置いてさっさとエレベーターに向かって歩き出す。
「あ、あのっ」
「なんだよ、さっさとついて来い。秘書やってんだから、それくらい言われなくても察しろよ」
淡い色の花たちと光を反射するスワロフスキー、花嫁の純潔を示す白いパールと一緒に色とりどりのオーナメントがキラキラ輝いてる。
幸せを象徴する飾り達は、もしかしたら私の結婚も幸福に繋がるのかも、と小さな希望を抱かせてくれる。
でもせっかく膨らんだその気持ちも私を責める不躾な声によって、ペシャンコになってしまった。
「なんだ、その格好は!真っ黒で葬式みたいじゃないか!」
「すみません、失礼のないようにと思ったのですが」
お葬式ならゴールドのアクセサリーはしないですって言葉はぐっと飲み込んだけど、納得出来ない気持ちは少し表情に出てしまったらしい。
「うちに嫁に来るなら、俺や母さんに口ごたえするのは許されないから覚えとけよ」
ふんっと大きな鼻息で言い切った敏彦さんは、私を置いてさっさとエレベーターに向かって歩き出す。
「あ、あのっ」
「なんだよ、さっさとついて来い。秘書やってんだから、それくらい言われなくても察しろよ」