次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
そこまで言ってもらって頑なな返答をするのも、かえって子供っぽい対応だろう。
「はい」と答えてニコリと笑ったら、植田社長も満足げに頷いてくれた。
「ところで、来月の経団連の‥‥‥」
私達のやり取りがひと段落ついたのをみて、駿介が空気を変えて仕事の話を始めた。
それを聞いて、私も秘書に戻る。
小さく会釈をして退室すると、コーヒーを用意するために秘書室に向かった。
我が社の場合、秘書課は秘書室内に給湯の場所が作られている。
もちろん他の部署では給湯室が近くにあるけれど、役員室に直接来客を迎える事も多いので、この方が変に移動距離が多くなくて便利なのだ。
来客が通る廊下とは反対側、窓側の少し奥まった場所だけど陽射しが届く場所にあるので、ここは明るい。そのせいか、はたまた秘書室内にあるせいか、この場所で同僚と少しの雑談をするのは仕事中の秘書達の大切な息抜きだ。
今も私がコーヒーを淹れているのを見つけて一つ先輩の秘書、幸恵さんがやってきた。
「うーん、やっぱり文香ちゃんの淹れるコーヒーは良い香りね。一杯、余分によろしくね」
「はい」と答えてニコリと笑ったら、植田社長も満足げに頷いてくれた。
「ところで、来月の経団連の‥‥‥」
私達のやり取りがひと段落ついたのをみて、駿介が空気を変えて仕事の話を始めた。
それを聞いて、私も秘書に戻る。
小さく会釈をして退室すると、コーヒーを用意するために秘書室に向かった。
我が社の場合、秘書課は秘書室内に給湯の場所が作られている。
もちろん他の部署では給湯室が近くにあるけれど、役員室に直接来客を迎える事も多いので、この方が変に移動距離が多くなくて便利なのだ。
来客が通る廊下とは反対側、窓側の少し奥まった場所だけど陽射しが届く場所にあるので、ここは明るい。そのせいか、はたまた秘書室内にあるせいか、この場所で同僚と少しの雑談をするのは仕事中の秘書達の大切な息抜きだ。
今も私がコーヒーを淹れているのを見つけて一つ先輩の秘書、幸恵さんがやってきた。
「うーん、やっぱり文香ちゃんの淹れるコーヒーは良い香りね。一杯、余分によろしくね」