次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
連れてこられたのは２階の奥。とうやら出迎えてくれた男性は店の責任者らしく、フロアーにいた女性に状況を説明している。

「そうだな、折角選ぶんだしスーツはよそう。ドレスもいいが今日着ていくにはワンピースくらいの方が相応しいか」

駿介は、女性店員に勧められる前に自分で商品を見て回っていく。気になるものは直接私にあてて見たり、驚くほどに積極的だ。
そして私はそんな駿介にただ付いて歩くのが精一杯。さっきからの初めての女性扱いに頭が付いていかないのだ。

「よし、これにしよう。靴は今履いてるのでいいとして、カバンも選ばないとだな。そんなビジネツバッグでは折角の服が死んでしまう」

やっとなんとか状況を飲み込んだ頃には駿介によりカバンまでも選ばれ、ニッコリと笑うの店員さんによってフィッティングルームに押し込まれていた。

駿介の選んだワンピースはびっくりするくらい私に似合った。
ボタニカル柄はカジュアルになってしまいがちなのに、ベースがオフホワイトなのと柄が小さめなのとで上品に仕上がっている。それに目が大きくて童顔な私の顔が少し大人っぽくも見える。

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