次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
なんとか言おうとした私の挨拶もすっぱり遮った夏希さんは、今度は駿介に文句を付け始めた。
「文香ちゃんが可愛いのは私もよーく知ってるけどね。あんまり籠の中に閉じ込めちゃうと、女は逃げ出したくなるものよ」
私を抱きしめたままの夏希さんに、メッと叱られた駿介が諦めたようにため息をついた。
「だから閉じ込めてませんって。俺の秘書になったのも、どちらかと言えば親父の希望だし。
それより、作品見せてくださいよ。折角個展に来たのに入口から一歩も進めてない」
「あ、そうだった。ゆっくり観てってねー。私の大事な作品ちゃん達。向こうでの活動の集大成のつもりなんだー。やっぱり拠点変えると作風も変わるからね」
ぺろりといたずらっ子みたいに舌を出した夏希さんがギャラリーの中へ案内してくれた。
「わぁ‥‥」
そこにあったのは予想とは全然違う、柔らかな光に包まれた作品達。グラフィックアートといえばデジタル、なんてステレオタイプな知識しか持ってなかった私の概念をぶち壊してくれる。
「文香ちゃんが可愛いのは私もよーく知ってるけどね。あんまり籠の中に閉じ込めちゃうと、女は逃げ出したくなるものよ」
私を抱きしめたままの夏希さんに、メッと叱られた駿介が諦めたようにため息をついた。
「だから閉じ込めてませんって。俺の秘書になったのも、どちらかと言えば親父の希望だし。
それより、作品見せてくださいよ。折角個展に来たのに入口から一歩も進めてない」
「あ、そうだった。ゆっくり観てってねー。私の大事な作品ちゃん達。向こうでの活動の集大成のつもりなんだー。やっぱり拠点変えると作風も変わるからね」
ぺろりといたずらっ子みたいに舌を出した夏希さんがギャラリーの中へ案内してくれた。
「わぁ‥‥」
そこにあったのは予想とは全然違う、柔らかな光に包まれた作品達。グラフィックアートといえばデジタル、なんてステレオタイプな知識しか持ってなかった私の概念をぶち壊してくれる。