次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
「何?」

「いや、文香はちゃんとお姉ちゃんなんだなーと思って」

「失礼な!まさか佑の妹だと思ってた?」


確かに佑は精神年齢の高いコだけど、7つも年下の弟より子供っぽいつもりはない。


「そうじゃないよ。國井の家では文香は末っ子で皆んなに可愛がられてるだろ?だから姉っていう感覚が薄くて。正直びっくりする」

私の返しが予想外で面白かったのか、ククッと声を出して笑った駿介がポンっと私の頭に手を置いた。

「じゃあ週末はしっかり親孝行と弟孝行して来いよ、お姉ちゃん。母さん達には予定あるって伝えとくから」

「あ、うん。ごめんね。お祖母様達に謝っておいてね」

「謝る事じゃないだろ。文香が蔵本の家族とも仲良くやってるって聞いたら、皆んな喜ぶんだから」

「そだね、ありがと」

へへっと笑う私の頭をポンポンと撫でて、駿介は車を発進させた。
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