次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
そのまま、私に向き直って説明しようとしてくれたのだが、話をする前にスタッフさんが夏希さんを呼びに来た。
夏希さんの作品を取り扱いたいと言ってる画廊の店主が来場したらしい。
「お楽しみは後で、ね。悪いけど、それまではパーティ楽しんでて」
ヒラヒラと手を振って離れていく夏希さんを見送りながら、湊がぼそりと呟いた。
「あの人、なんか、凄いね」
「そう、だね。同世代で唯一、駿介に勝てる人だし、ね」
「それはまた‥‥ホントに凄いねって言うか、怖いね、が正解?」
私はハハっと乾いた笑いで答えを濁す。
そういや、駿介や涼介君もそんなこと言ってた。私には優しくてカッコいいお姉さんだよ?って言ったら「あの人は文香には甘いから」って。
単身ヨーロッパに行く行動力と勇気も、どんどん道を切り開くチカラも決して真似できない格好良さだ。私に夏希さんの何分のイチかでも勇気があったら、こんなにぐじぐじと同じ場所で悩まずに済んだのかもしれない。
夏希さんの作品を取り扱いたいと言ってる画廊の店主が来場したらしい。
「お楽しみは後で、ね。悪いけど、それまではパーティ楽しんでて」
ヒラヒラと手を振って離れていく夏希さんを見送りながら、湊がぼそりと呟いた。
「あの人、なんか、凄いね」
「そう、だね。同世代で唯一、駿介に勝てる人だし、ね」
「それはまた‥‥ホントに凄いねって言うか、怖いね、が正解?」
私はハハっと乾いた笑いで答えを濁す。
そういや、駿介や涼介君もそんなこと言ってた。私には優しくてカッコいいお姉さんだよ?って言ったら「あの人は文香には甘いから」って。
単身ヨーロッパに行く行動力と勇気も、どんどん道を切り開くチカラも決して真似できない格好良さだ。私に夏希さんの何分のイチかでも勇気があったら、こんなにぐじぐじと同じ場所で悩まずに済んだのかもしれない。