次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
「だからさ、文香ちゃんも逃げるのやめよ。思い切ってぶつかってそれでダメでしたって方が幸せだよ」
「‥‥そうですね。もしそういう時が来たら、きっと」
なんとか微笑みに近い表情を作ろうとするけど上手くいかないなんて、まるで気持ちみたいだ。自分自身の事なのに、自分でコントロール出来ない。
駿介への好きは恋愛感情じゃないって何度も言い聞かせてるのに。視線が合うたびに、意地悪で柔らかな言葉をかけられるたびに、学習能力の低い私の気持ちはピンク色に染まってしまうんだ。
「でも、わざわざ訪ねたって事は、その男性も一度は夏希さんが好きだったんですね」
私が黙り込んだせいで重くなった空気を払うように、ぽつりと久美ちゃんが呟いた。
「え?なんでそうなるの?」
不意打ちを食らった夏希さんがビール缶を置いて、当惑した声を出した。
「あ、それは私も同意見です。多分、彼も曖昧だった関係が心にずっと引っかかって、結婚前にちゃんとケジメっていうか確認?しに来たんだと思います。自分がちゃんと恋をしてた確認して、それでやっと次に進めるっていうか」
「‥‥そうですね。もしそういう時が来たら、きっと」
なんとか微笑みに近い表情を作ろうとするけど上手くいかないなんて、まるで気持ちみたいだ。自分自身の事なのに、自分でコントロール出来ない。
駿介への好きは恋愛感情じゃないって何度も言い聞かせてるのに。視線が合うたびに、意地悪で柔らかな言葉をかけられるたびに、学習能力の低い私の気持ちはピンク色に染まってしまうんだ。
「でも、わざわざ訪ねたって事は、その男性も一度は夏希さんが好きだったんですね」
私が黙り込んだせいで重くなった空気を払うように、ぽつりと久美ちゃんが呟いた。
「え?なんでそうなるの?」
不意打ちを食らった夏希さんがビール缶を置いて、当惑した声を出した。
「あ、それは私も同意見です。多分、彼も曖昧だった関係が心にずっと引っかかって、結婚前にちゃんとケジメっていうか確認?しに来たんだと思います。自分がちゃんと恋をしてた確認して、それでやっと次に進めるっていうか」