いつかきっと...
「俺さ、弁護士になりたいんだよね」


「えーーー!すごいね!私なんて夢なんかないのにな〜」


「そんな事ないよ。叶えられなかったら意味ないしね」


「んーん、夢があるだけで凄いんだよ?」


「叶えられるか分からないけどね」


「ねぇ、皐月ってさ何で入院してるの?」


「んーとね、がんなんだ。」


「実はね、私もがんなの。」


皐月は、信じられないような顔をした。


そりゃそうだよね。


私も皐月が最初は、がんだって信じられなかったよ。


だけど、夢があってがんはキツイよね。


だって叶えられないかもしれないのだからさ。



私は、何にもないけど、皐月にはあるんだよ。


だから神様は不公平なんだ。


私みたいなのが、がんなら分かるんだ。


だけど、皐月みたいな人が、がんで先がないのだなんで残酷すぎる。



だって、夢を諦めろと言ってるようなものだから。



「知らなかったよ。まさか同じだなんてな。」


「そうだね。私もびっくりだよー」


くすくすと、笑う私。

それを見て皐月が、


「陽乃は、すごいな。笑えて。」


何それ?どーゆー意味なの?


「それ、どーゆー意味?」


「いや、強いなって思ってさ」


強い?私が?


そっか、そーゆー風に見えるんだ。


良かった。


変われたんだね、私は。



「ありがとう。」


ニコッと私は、言う。


だって嬉しかったから。



今まで、お前は弱い。



だから、がんなんかになるんだ。



と、言われたりしたからすごい嬉しいんだ。



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